敬語入門ガイド:丁寧語・尊敬語・謙譲語の基本
JLPT・学習法

敬語入門ガイド:丁寧語・尊敬語・謙譲語の基本

2026年2月20日 11分で読める

敬語とは何か?

敬語(けいご)は、日本語の丁寧さを表現するシステムです。相手との社会的関係(年齢、地位、親密さ)に応じて言葉遣いを変えることで、敬意や礼儀を示します。敬語は日本社会でのコミュニケーションに不可欠な要素であり、ビジネスシーンでは特に重要視されます。

敬語は大きく3つの種類に分けられます:丁寧語(ていねいご)、尊敬語(そんけいご)、謙譲語(けんじょうご)。それぞれの役割と使い方を理解することが、適切な敬語使用の第一歩です。

丁寧語(ていねいご)— 基本の丁寧さ

丁寧語は最も基本的な敬語で、文末に「です」「ます」をつける形式です。日本語学習者が最初に学ぶ話し方であり、ほとんどの場面で使える万能な丁寧さの表現です。

丁寧語の基本パターン

動詞:〜ます(食べます、行きます、します)
い形容詞:〜いです(大きいです、おいしいです)
な形容詞:〜です(きれいです、静かです)
名詞:〜です(学生です、先生です)

Ashita, kaigi ga arimasu.
明日、会議があります。(There is a meeting tomorrow.)— 丁寧語

丁寧語は、初対面の人、年上の人、仕事の場面など、フォーマルな状況で広く使用されます。日常生活でも、店員さんや知り合い程度の人との会話では丁寧語が基本です。

尊敬語(そんけいご)— 相手を高める

尊敬語は、相手や第三者の動作を高めることで敬意を表します。目上の人(上司、先生、お客様など)の動作を述べるときに使います。自分の動作には使いません。

尊敬語の作り方

パターン1:お+動詞ます形+になる

読む → お読みになる(先生がお読みになる)
書く → お書きになる(社長がお書きになる)
話す → お話しになる(部長がお話しになる)

パターン2:受身形を尊敬語として使う

読む → 読まれる(先生が読まれる)
行く → 行かれる(先生が行かれる)
話す → 話される(先生が話される)

特別な尊敬語(不規則形)

よく使われる動詞には、特別な尊敬語の形があります。これらは丸暗記する必要があります。

普通形尊敬語意味
いるいらっしゃるいる・行く・来る
食べる・飲む召し上がる食べる・飲む
言うおっしゃる言う
見るご覧になる見る
知っているご存じだ知っている
するなさるする
くれるくださるくれる
Shachō wa mō okaeri ni narimashita.
社長はもうお帰りになりました。(The president has already left.)
Sensei wa kōhī o meshiagarimasu ka?
先生はコーヒーを召し上がりますか?(Would you like some coffee, teacher?)

謙譲語(けんじょうご)— 自分を低くする

謙譲語は、自分(または自分の側の人)の動作を低めることで、相対的に相手を高める表現です。目上の人に対して自分の動作を述べるときに使います。

パターン:お+動詞ます形+する

持つ → お持ちする(お荷物をお持ちします)
送る → お送りする(メールをお送りします)
伝える → お伝えする(ご伝言をお伝えします)

特別な謙譲語

普通形謙譲語意味
行く・来る参る(まいる)行く・来る
いるおるいる
食べる・飲むいただく食べる・飲む・もらう
言う申す(もうす)言う
見る拝見する(はいけんする)見る
知っている存じている(ぞんじている)知っている
するいたすする
あげる差し上げる(さしあげる)あげる
Watakushi ga ashita otodoke itashimasu.
私が明日お届けいたします。(I will deliver it tomorrow.)

ビジネスでよく使う敬語表現

ビジネス必須フレーズ
お世話になっております — いつもありがとうございます(ビジネスメールの定番挨拶)
承知いたしました — わかりました(謙譲語)
恐れ入りますが — すみませんが(丁寧な前置き)
ご確認のほど、よろしくお願いいたします — 確認してください(丁寧な依頼)

よくある敬語の間違い

学習者だけでなく、日本人でもよく間違える敬語表現があります。以下は特に注意すべきポイントです。

二重敬語に注意:「お読みになられる」は「お読みになる」と「読まれる」の二重敬語で、正しくは「お読みになる」または「読まれる」のどちらか一方を使います。

尊敬語と謙譲語の混同:自分の動作に尊敬語を使ったり、相手の動作に謙譲語を使ったりするのは失礼にあたります。「先生が申しました」(✗)→「先生がおっしゃいました」(✓)。

練習のポイント

敬語の習得には時間がかかりますが、まずは丁寧語を完璧にし、その後で尊敬語と謙譲語を少しずつ覚えていくのが効果的です。ビジネスドラマやニュースを聞いて、敬語が使われる場面を観察するのも良い練習方法です。完璧な敬語を目指すよりも、相手を敬う気持ちを持って話すことが最も大切です。

SpeakJapanEasy編集部

日本語教育の専門家チームが、学習者の視点に立った分かりやすいコンテンツを作成しています。すべての記事はネイティブスピーカーによる校正を経て公開されています。

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